Lausanner from Tokyo

スイス、ローザンヌでの家族生活、子育て、夫のEPFL留学、障がいのある人のことなど、リアルな情報を発信します

学校決めの面談のこと

4歳以上の子どもがいる場合の学校を決めるプロセスは、別の記事でお伝えしましたが、我が家の場合は、住民登録が済んだ数日後に、子供たちの学校について相談したいという内容のメールがSESAF(障がい児の学校をコーディネートする機関)から届き、入国して2週目には面談日が設定されました

面談に立ち会ったのは、4名

・ 私たちが暮らす地域の学区内にある、4つの学校を統括するディレクター

・ 息子が普通級に通うとした場合の学校に勤務する英語教員(通訳者として同席)

・ 同上の学校に勤務する息子の年齢に該当する学年主任

・ SESAFの地域担当者

そして、面談は1時間半以上に及びました

私が念のために持参した、都内の特別支援学校の担任の先生が作成してくださった実態表を人数分コピーしてもらうところから始まり、その実態表と担任の先生が提供してくれた教材の一部を見ながら、「これはどういうことか」、「ここにはこう書いてあるが、例えばこんなことはできるか」などひとつひとつ丁寧に読みながら、質問を受け、それに対して夫と正直に答えました

実態表は英語で書かれているので、同席者は皆、英語を理解しているはずなのに、質問は常にフランス語で通訳者の先生が英語に翻訳するというところは不思議でした

どうしても英語を話したくないのか、理由は分かりません

一方、質問はとても詳細でした

「それは難しいと思います」「やってみた事がないので分かりませんが、もしかしたらこう対応したら、理解できるかもしれません」など、とにかく息子のことをちゃんと知ってもらいたくて、できるだけ簡潔に、でも妥協なく伝えたつもりです

本当はできるのにできないと答えてしまった点もあったかもしれませんが、親がよく分からないことを「はい、できます!」とポジティブに答えるのだけは違うと思っていました

私たちが把握している事を包み隠さず、ありのまま伝える事が一番大切だと思っていました

その事で後々苦しむのは私たちではなく、息子ですから。。。

なので、「はさみを使うことが上手だと書いてあるが、決まった線の上を切る事ができるのか」と聞かれたときには、 ”No, freestyle cutting.”と答えました

息子は決まった線に合わせて切るというより、自分の好きなようにザクザク切るのを好むので(笑)

そのときの気分によっては、線に従って切ることもできるはずです、そのようなフィードバックをいただいたこともあったので、、、

でもいつも同じようにできるとは限らない、、、私が息子を見ていて感じていたのは、はさみで紙を切ることは彼がストレスを発散する大切な時間

不安なとき、ちょっと無理して頑張ったあと、自分の気持ちを落ち着かせたい、そんな時にはさみで紙を切りたいと訴えていました

そのストレス発散できる機会、気持ちを落ち着かせる機会を、頑張らなきゃいけない時間に転換したくなかったのです

なので、学校にいる間に、与えられた線に従って切るよう求められるのではなく、自由気ままに紙を切ることを許してもらえるのであれば、他の場面で頑張るエネルギーに振り向けられるんじゃないかなと思いました

余談ですが、私の回答の"Freestyle Cutting"という表現、その場に笑いが起きて和やかになったので、私も大満足しています(笑)

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我が家が暮らすSt-Sulpice(サン・シュルピス)地区には、学校が1つしかなく、息子の年齢に該当する学年の子供たちは、Renens(つづりはルナンですが、なぜかホノと呼びます)地区にある学校に通うらしく、我が家からはバスで20分ほどかかります

息子と娘が別々の学校に通うことになると、私ひとりで両方の送迎をやりくりすることになるので、それだけは絶対避けなければなりませんでした、、、

「お嬢さんはSt-Sulpiceの学校で、来週月曜日から来てください」と言われました

これは、私たちも想定したとおりでした

 「息子さんの学校は、少し時間をください」と言われました

頭の中は???状態で、「どういう事ですか」と聞くと、「息子さんにはSpecialized school(特別支援学校)を探します」と言われました

どこに特別支援学校があるのか分からなかったので場所を聞いてみると、「今はまだ分かりません」との回答

「特別支援学校であれば送迎サービスがあるので、そこは心配しないでください」と我が家の心配事は払拭してくれました

インクルーシブ教育(障がいの有無にかかわらず「誰もが望めば合理的な配慮のもと地域の普通学級で学べる」教育)がスイスで実現するかも?と希望していたのですが、息子の場合、フランス語はさることながら、日本語でのコミュニケーションにも困難が見られ、ましてやスイスというこれまでと全く異なる環境で新しいことを始めるよりも、専門的な知識のある教員がいる学校の方が良いという判断でした

当初、息子には隣町の学校(小中一貫の公立学校)に娘と一緒に通ってインクルーシブ教育を受けさせたいと思っていたのですが、面談を進めていく中で、息子のような重度障がい児をスイスの特別支援学校ではどのように受け入れるのか、だんだんと興味が湧いてきました

日本と同じような教育環境になるんだろうなと思いつつも、「どんな子がいるのかな」、「どんなアプローチをしてくれるのかな」、「どんな学びができるのかな」など、良い意味で日本の環境とダイレクトに比較できるので、とても楽しみになりました

学校が家から遠くなければいいな、、、心配はそれだけでした

日本では、毎朝、コースの始発から、スクールバスで1時間近くかけて通っていました

せめて日本と同じくらいの通学時間だといいなと願いながら、面談は終了

先生方の表情は堅めで、やりとりはどこかビジネス的で淡々と流れる感じでしたが、最後に別れの挨拶をする際に、全員から“Welcome to Switzerland”と言われたことがとても印象的でした

私たち家族を受け入れてもらえているという感覚がとても嬉しく、日本から苦労してここまで息子を連れて来たことが、報われた気がしました

長くなりましたので、この後、息子の学校がどこに決まったのかについては、別の記事でお伝えします