Lausanner from Tokyo

スイス、ローザンヌでの家族生活、子育て、夫のEPFL留学、障がいのある人のことなど、リアルな情報を発信します

息子の学校からの電話のこと~その3~

 

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電話を切ってから、息子がなぜそのように振る舞うようになったのか、、、その理由についてあらゆる可能性を考えてみました

スイスに来てアレルギー反応が強く表れていたことは間違いありませんが、もともと日本にいるときからアレルギーの不快感を経験しているので、それが原因だとはとても思えませんでした

新しい先生との関係づくりのため、彼女の反応を試すための実験として、問題行動を起こしている可能性は少なからずあると思いました

が、それよりも重大な問題が思い浮かんでハッとしました

それは、私が息子に対して全く意識を向けていなかったこと

子供たちが学校に通い始めて以来、娘ばかりに気をとられて、正直言って息子のことは放っていました

毎朝穏やかに身支度に応じて家を出て、また穏やかに学校から帰ってきて、家では静かに過ごす息子がいつもいました

日本とはちがう全く新しい環境にいとも簡単に順応したように見えた、彼の力と成長に感心していたくらいで、それがずっと続いてほしいと思っていました

娘の登校渋りで疲れ切っていた私には、息子が馴染んだように見えていたことが一番の救いだったのです

思えば、息子にかけていた言葉と言えば、「行ってらっしゃい」「おかえり」「おつかれさま」くらいしか思い浮かびません

娘にはあれだけ手厚く関わっていたのに、息子にはあまりにも希薄な対応しかできていなかった自分がとても情けなく思えました

また、学校ではSOSを出していたにも関わらず、家ではそれを我慢していたと思うと、心はさらに痛みました

おそらく息子は、私が娘のことで精一杯だということを分かっていて、ここで自分まで波風を立てたら私が受け止めきれないと気づいていた、私への配慮だったと想像します

辛く悲しくしんどくてしかたがないときに、そばに来てくれるのは息子です

言葉はなくとも、隣に座って私を自分の方に引き寄せて、手を握ったり髪の毛を嗅いだり、、、ただそばにいてくれるだけで、励まされている気がするのです

恥ずかしながら、息子には何もかもお見透しです

些細な気持ちのブレでさえ、息子にはキャッチされてしまいます

娘の方が少し軌道に乗ったかもしれないという明るい兆しが見えて、私の緊張がふっと抜けたまさにその直後に、今度は息子が自身の葛藤を体いっぱいで表現して訴えてきました

何というタイミングだろうと思いました

 

この日以降、私は息子にも注意を向けることにしました

新しい環境に慣れることの大変さに共感してみたり、辛い時は怒ってもいいし泣いてもいい、我慢しないで教えてほしいということも伝えました

それから、息子が持ち帰ってきた図工の作品について感想を伝えたり、大きな連絡ノートの写真を見ながらその日学校で取り組んだ内容について話したりするようにしました

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最初は、学校のことに触れると「ナイナイ」と嫌がってその場を離れてしまうこともありましたが、少しずつ笑顔を見せてくれることも増え、気がつくと学校から気がかりな報告も減っていくのでした

誰しも誰かに大切に思われたい、それは喜びや幸せだと、、、忘れかけていたことをまた思い出させてくれた息子に感謝しています