Lausanner from Tokyo

スイス、ローザンヌでの家族生活、子育て、夫のEPFL留学、障がいのある人のことなど、リアルな情報を発信します

台湾人ママからのカミングアウトのこと

 

lausannersfromtokyo.hatenablog.com

 

ずいぶん前に、台湾人ママの話をブログでお伝えしました

娘の学校で一番最初にできたママ友で、それ以来、子供たちの昼休憩を共に過ごしたり、子供たちが学校に行っている間に車で買い物に連れ出してくれたり、コーヒーブレイクにお家に呼んでくれたり、とにかくお世話になりっぱなしの私です

が、ある日子供たちを午後の授業に送り出して、彼女の家でまったりタイムを満喫していると、突然

ママ:いつもあなたの事を尊敬して見ているの。どんな時でも娘さんの気持ちに耳を傾けて対応しているし、息子さんの方でもきっと大変な思いをしているだろうと想像しているけど、いつも笑っていて穏やかだよね。どうしたらそうなれるのかなと思って

と話し始めました

私は、自分がそんな風に映っていたことに対してうれしさ半分、同時にスイス生活に感じている葛藤や苦しさを隠そうとしてきたことに対する後ろめたさ半分、とても複雑な気持ちになりましたが、まずはとりあえず感謝だけ伝えました

ママ:私は年齢的な、更年期の症状や精神状態も影響しているかもしれないけど、最近すごくイライラして、自己嫌悪になって自己肯定感をどんどん失っているわ。子供たちの学校や習い事の送迎ばかりしているうちに1日が終わって。私の子供たちは良い子たちだと思うけど、もっと良い子になれるんじゃないかと期待して、いつも注意したり怒ったりしてばかり。子供たちの悪い面が見えると、自分の子育てに問題があるのではないかと思って、インターネットで良い子育て論みたいなものを探して読むと、自分がその中の何一つできていないと感じて、それでまた落ち込むの。スイスは良いところだと思うだけど、退屈だし、今の生活は何かが足りない気がしてならないの

彼女の突然のカミングアウトに、私はものすごくホッとしていました

私はスイスに来てから娘の学校に行くたびに、自分以外の母親たちが皆キラキラして見えて仕方ありませんでした

やりがいを感じにくい学校の送り迎えさえ、わが喜びとして取り組んでいるんだろうと

私には、実際は葛藤していたこの台湾人ママだって、キラキラして見えていたのです

「スイスの生活は犠牲が多くて苦しい」と打ち明けたら、

「夫婦で決めて、自分の意思で、スイスに来たんじゃないの?」と言われるのではないかと

そんなことを告白したら、せっかく仲良くしてくれている友人たちが離れていくのではないかと

想像したら、怖くてとても言えませんでした

そのため、外では本心を隠して、できるだけ笑顔でやり過ごすように心がけていました

どうしても気が乗らない日は、挨拶だけして立ち話が始まる前にさっさと学校を離れようとした日も数え切れないほどあります

が、この日を機にもうこれ以上、自分の本当の気持ちに嘘をついて、明るく振舞う必要はないんだと、とても楽になったのでした

この後、私は自分の思いと私なりの子育てに関する考えを伝えました

・ 私もスイス生活に満足していない事、それを今まで言えなかった事

・ 彼女の「何かが足りない」がまさに自分にも当てはまる事

・ 彼女の子供たちは2人とも今のままですごく良い子で可愛いという事

・ 子供たちに期待する事は当然、親として責任がある事も当然、彼女の思いにすべて共感する事

・ わが子であっても、一人の人間として接するようにしている事(なかなか親の思いどおりにはいかない事)

そして、私が息子の子育てに行き詰まった時に受けたペアレントトレーニング(トリプルP)や数々の書籍から学んだスキルを少しだけ紹介しました

・ 事前予告:少し先の予定について見通しを持たせること

・ 描写的に褒めること:例えば、子どもが絵を描いた時に、ただ「上手!」だけでなく、「特にこの花の色合いが好き」や「女の子のドレスにハートと星が付いているところが好き」など、ピンポイントで褒めると本人の満足度が上がること

このような突っ込んだ話は、言葉選びに注意が必要で、、、自分の表現力不足を痛感します

英語は英語で、もっともっと上手くなりたい!!

そして、フランス語も上達したい!!(笑)

最終的に彼女の気持ちが軽くなったのかは分かりませんが、最後に彼女は

ママ:話を聞いてくれてありがとう。こんな暗い話ばかりして、ガッカリされないといいんだけど

と言いました

これを聞いて、彼女にとっても非常に勇気のいる行動だったと理解できましたし、打ち明ける相手として私を選んでくれたことをとても光栄に思いました

彼女が先に告白してくれたことで、私も正直になれました

そんな彼女に心から感謝しました

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それからは「最近どう?大丈夫?」と聞き合ったり、スイスの良いところ、今の生活の素敵なところを列挙し合って「こんなに貴重な生活しているんだね、私たち!」と励まし合ったりしています

私たちの共通点である相談相手が限られている状況、それも今の生活の過酷さにつながると感じます

でも、彼女の前ではもう我慢しません

そのような場所が一つあるだけで、ずいぶんと救われます