Lausanner from Tokyo

スイス、ローザンヌでの家族生活、子育て、夫のEPFL留学、障がいのある人のことなど、リアルな情報を発信します

ソーシャルワーカーとの出会いのこと~その2~

 

lausannersfromtokyo.hatenablog.com

 

面談当日、現われたソーシャルワーカーは、背が高くて髭が生えた40代半ばと思われる男性でした

第一印象として、経験豊かで優しそうな雰囲気を感じました

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pro infirmisの役割について説明を受けた後、彼は私が抱えていた3つの問題について一つ一つ丁寧に耳を傾けてくれました

これまで理解が不十分だったOaiの制度についても、きちんとした説明を受けることができ、この日にようやく概要が見えた気がしました

と同時に、落胆もあったことは事実です

その落胆とは、、、新学校と面談した時に校長が口にしたOaiが持つ3つのモジュール

(1)ファイナンシャル部門(経済的支援)

(2)メディカル部門(医療分野支援)

(3)ウィールチェア部門(車椅子を利用している場合)

息子の場合は(1)と(2)に該当することになりますが、それぞれ別々に申請が必要だと言われたのです

2019年1月末に行った手続きで、すべて網羅されていると思っていました

でも実際は、わが家が申請していたのは(1)のみだったのです

医療保険で保障されない医療費(薬代、歯科診察代、セラピー代、クリニックやセラピーに行くための交通費など)は、Oaiが下りれば100%カバーされると、かかりつけ医から聞いていたので、それまでの辛抱だと自分に言い聞かせてずっと我慢してきました

「この薬は、息子さんが加入している医療保険ではカバーされない」

そう言われるたびに、とても複雑な思いになりましたが、こんな思いをするのはもう少しだけ、あと少しの辛抱だと思っていました

Oaiがすべて解決してくれると、Oaiが救いの手を差し伸べてくれると信じていましたが、そのためには(2)のモジュールにも手続きが必要だったのです

日本の運転免許証をスイスのものに書き換える際にも経験した事ですが、スイスと日本は非常に良い関係にあり、この分野でも二国間で協定が結ばれているとのことで、ソーシャルワーカーは(1)に比べればハードルは高いけれどもダメ元で(2)も申請してみましょうと提案してくれました

その可能性すら存在しない国々がたくさんある中で、日本人である事がプラスに働くかもしれません!!

やらないで後悔するより、やってみて後悔する方が何倍も何十倍も良い

私が大切にしているポリシーです

でも一方で、もっと早く知る術はなかったのだろうかと思う自分もいました。。。

引き続き(1)がどのような仕組みになっているか説明してくれました

まずは、申請書類で回答を求められた身辺自立に関する項目のうち、支援が必要な項目として6つ全てに該当すると「重度」、4つに該当すると「中度」、2つに該当すると「軽度」のいずれかに分類され、1日あたりの給付額が決まります

次に、1日のうち支援にかかる時間が4時間以上、6時間以上、8時間以上と認定されると、上述の額に所定の金額がさらに上乗せされて給付されるとのことでした

私はずっとAllocation d'importanceは障害年金のようなもの、つまり本人に対する給付だと理解していましたが、ソーシャルワーカーはこう言いました

男性:これはあなたへのsalary(サラリー)だと思ってください

何度かsalaryと言われて、私はsalaryに対する日本語として「給与」しか思い浮かばず、まず第一にすごく生々しいと感じました

息子と一緒にいると、ほとんどの場面で見守りが必要で、実際に手を貸す場合も多い事は確かですが、これを「労働」と思った事はありません

息子の子育てとして必要な関わり、保護者として当然あるべき姿と捉えてきました

それに対して、対価を欲する事など想像にも及びませんでした

でもこの国の考え方、支援に捧げる時間や労働の対価としてsalaryが発生する事は、ある意味合理的と言えばそうかもしれないと

それが生々しさの次に浮かんだ素直な感想でした

その後、salaryという言葉についてもう一度よく考えてみました

日本でも息子がいる事で「特別児童扶養手当」を受給していました

冷静に考えれば、「手当」も給与の一種と言えます

しかし、非常に個人的な感覚として「手当」には感じない生々しさを「給与」という言葉にはなぜか感じる自分がいます、、、とても不思議です

salaryという考え方をどうにも受け入れ難い戸惑いを察してくれたソーシャルワーカーは、

男性:名目としては息子さんの支援者(これは保護者に限りません、例えばデイやホームも支援者にあたります)に対して給付されるものですが、結果的にはご家庭でどのように運用されても構いません

とまとめてくれ、私は安堵しました

私が安堵した理由は、次の記事でお伝えします