Lausanner from Tokyo

スイス、ローザンヌでの家族生活、子育て、夫のEPFL留学、障がいのある人のことなど、リアルな情報を発信します

移動支援サービスPhareのこと〜その3〜

 

lausannersfromtokyo.hatenablog.com

 

顔合わせ当日、コーディネーターと現われたヘルパーは40代前後の男性でした

優しそう、それが第一印象でした

私がヘルパー探しの際に希望したことは、以下の2点

① 着替えやトイレの介助を必要とするため、同性の人

② 英語でコミュニケーション可能な人

ですが、最優先事項はもちろん②です

移動支援は、1対1のマンツーマンとなります

そのため、家庭とヘルパーの密なやりとりが重要だと思っています

実はそんな私自身、移動支援従業者(ガイドヘルパー)の資格を持っています

指定機関の養成研修を修了することで、ガイドヘルパーとして外出支援が可能となります

(現在はコロナウィルスの感染拡大防止のため、多くは延期ないし中止しているようです)

講習内容は、全身性障がい、視覚障がい、知的障がい、いずれかによって異なります

私はもちろん、知的障がい者(児)ガイドヘルパー養成研修を全3日間、信じられない超破格で受講することができました

3日間、個性豊かな講師陣、様々なバックグラウンドを持った他の受講者の皆さんと一緒に学ぶことができて、毎回楽しく、情報収集の場にもなりました

障がい児の母としての参加者は私だけだったので、親としての思いを皆さまにお話しする、とても貴重な機会もいただきました

途中から涙、涙、涙で、支離滅裂となってしまいましたが、日々抱える悩み、将来に対する不安、親亡き後のわが子のこと、考え始めたらキリがなく、それだけいろいろな思いが交錯して複雑に絡まる、1人の母親の姿をお見せできたのではないかと思います

他の受講者の方々の何か新しい気づきになっていたとしたら、これほど幸せなことはありません

どうして、この研修を受けようと思ったのか?

まず、息子がヘルパーと出かけるようになり、ヘルパーさん達ってホントすごい!!と感激して、素直にその仕事に興味が湧いたからです

次に、私はいつも「母親」という立場でしか外に出かける機会がありませんでしたが、もし「ヘルパー」として社会に出て行ったときに、どう感じるだろうか、他人の目はどう気になるだろうか、私の思考や心にどんな変化があるだろうか、という好奇心が生まれたからです

そして、成人の方がどのような生活を送っているのか、垣間見ることができたらいいなという思いもありました

研修修了後、息子がお世話になっていた移動支援事業所に「ヘルパー登録させてください!」とお願いしました

すると、「え?お母さんが?ヘルパーやっちゃうの?」と実に面白い反応が返ってきました

そりゃそうですよね〜、ずいぶんご配慮いただいたと思います

それでも受け入れてくださったことに、感謝の気持ちでいっぱいです

初回は、先輩ヘルパーに同行して利用者さんと3人で外出します

初めて会う利用者さんといきなりマンツーマンで出かけることはありません

その方の好みやこだわりから、お金の管理方法、特に注意を向けるポイント、グループホームのルールなど、細かく教えてもらいます

当たり前ですが、一人一人、性格も好き嫌いも認知レベルもちがいます

ご自身で出来ること(ヘルパーは見守ります)、手助けが必要なこと、各々ちがいます

先輩ヘルパーは皆、この方はこんな方というご自身で作成されたノートを持っていました

私も同じように作りました、支援中に見返したり、随時書き足すこともありました

その後、もう一人で行ける!と思えたところで、利用者さんと1対1で外出するのですが、何度か経験してみて、最初のうちはすごーくチャレンジングでした

タイムマネジメントも然り、その日によって利用者さんの体調も違います、前回うまく運んだことが今回もうまく行くとは限りません、予測不能なこと(例えば、人身事故)も起こります、そして、とにかくよく歩きます!!

朝9時から夕方5時まで1日外出すると、1万5千歩は優に超えるので、すごく運動になります

今まで行ったことがなかった場所に、利用者さんに連れて行ってもらうような感覚で、新たな楽しみを発見する機会になります

公共交通機関を使って移動するので、乗継方法や安い経路に詳しくなります

慣れてきた頃には、これは利用者さんによって異なりますが、事前に行き先が決まっていれば、その時に実施されているイベントを調べて提案してみたり、こだわりが強い方の場合、どうしても外出先がマンネリ化したり、過ごし方が同じになりがちですが、興味や関心を他に向けてみようとわざと回り道してみたりしました

自分でプランを構築する作業は、英語教員時代と似ていると感じました

反省だらけの日もあれば、ぜんぶ完璧100点満点!と思える日もあり、その繰返しがまたクセになるのだと思います

兎にも角にも、とてもやりがいのある仕事です!!

どの事業所もガイドヘルパー不足なので、もっともっと増えたらいいな〜と思います

そして、ヘルパーとして外出するようになって、変化した心境

それは、驚くほど周りの目が気にならなくなりました

いつも「すみません」と謝りながら、息子と街を歩いていた私

息子と外出するときでも、顔を上げて胸を張って歩けるようになりました

いろいろな人がいて当然、誰にでも外を堂々と歩く権利がある、世の中にはこういう人だっているんだ、それが社会だと、むしろたくさんの人に知ってもらうチャンスだ!

そう思うようになりました

今ブログを書きながら、日本に帰ったら、またガイドヘルパーやりたいな〜という気持ちが湧いてきました(笑)

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そんな自らのヘルパー経験も通して、いま一度母として、息子のことや私の希望をヘルパーにきちんと伝えたいと思いました

そして、支援中の様子やヘルパーが困っていることなど、気軽に意見交換できる、信頼関係を築けたらいいなと思いました

すると、自ずと言語はフランス語では厳しいと思ったのです

少し長くなりましたので、この続きは次の記事でお伝えします